ミッション:インポッシブル |
/ローグ・ネイション |
Story スパイ組織 “IMF” の凄腕エージェント、イーサン・ハントの活躍を描く『ミッション:インポッシブル』シリーズ の第5弾。 正体不明のスパイ組織 “シンジケート” を追っていたIMFエージェントのイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、 ロンドンで敵の罠にかかり拘束されてしまう。 拷問を受けそうになった時、イーサンを助けたのはその場にいた謎の女性イルサだ(レベッカ・ファーガソン)だった。 間一髪で窮地を脱したものの、IMFは解体されてCIAに吸収され、召喚命令に応じないイーサンは国際手配されてしまう。 それから半年後、元IMFメンバーのベンジー(サイモン・ペッグ)のもとに、イーサンから秘密の連絡が届く。 指定された合流場所はウィーンのオペラハウスだった・・・。 Review 久しぶりのトム・クルーズ、あれ? ちょっと老けたかな、目の辺り、口の周りが・・・。 クルーズってマネキン人形みたいだな、とじつはかねがね思っていた。いつ見てもツルッとした顔をしている。 『コラテラル』(04) では無理に白髪にしてるのが、かえって痛々しいくらいだった。 でも時が来れば、やっぱり彼も少しは老けるんだ・・・。ヘンに安心したりして・・・。 とはいえアクションは相変わらずキレいい。そうとうに鍛えてるんでしょうね、ちょっと驚いた。 そういえば、冒頭の飛び立った軍用機のドアに張りついたまま中に侵入を試みるシーンの荒唐無稽なアクションは、初期の頃の『007』シリーズのオープニングを思い出す。 その後の次々に世界各地に舞台が移っていくテンポの良さも、かつての『007』シリーズを彷彿とさせる。 もちろん本編に入ってからの超ハイテクを駆使したストーリー展開は『ミッション:インポッシブル』シリーズの独壇場だけれど、入りのレトロ感はなかなか捨てがたい。 私が『ミッション:インポッシブル』シリーズを見るのは本作が3作目になる。 シリーズのファンなら主人公のイーサン・ハントとレギュラーメンバーとのやり取りなど、プラスアルファで楽しめる部分が多いんだろうな、と思いつつも、 私は本作のヒロイン、イルサの活躍が面白かった。 ウィーンのオペラ劇場に現われた時は、高いピンヒールの靴に長いドレスの裾を引いた優雅でゴージャスな美人。 ところが、その格好で銃を構え、劇場の屋根の狭い張り出しを走る。かっこいい! この時はハントに助けられて警察や “シンジケート” の手を逃れるけれど、じつは、彼女、2度もハントの窮地を救っている。 初めはハントが “シンジケート” の罠にかかって拘束され、拷問されそうになった時。 2度めはモロッコの地下施設で、潜水しながら “シンジケート” の極秘情報入手のためのパスワードを入れ替える作業をしている時。 昔なら、あわや、という時に疾風(ハヤテ)のように現われて主人公を助けるのは月光仮面と決まっていたけど (スミマセン、例えが古すぎた)、 本作でハントを救うのはイルサなのだ。 演じるレベッカ・ファーガソンのアクションは強靭な鋼を連想させるところがある。バイクスタントのかっこよさにも惚れ惚れ。敵か味方か分らない謎めいたところもいい。 もちろん徐々に正体が分かってはくるけれど、男性陣の影が薄く感じるほど印象が強い。 終盤、ハントが “シンジケート” の人質にされてしまった元IMFメンバーのベンジーと極秘情報のデータの入ったUSBメモリーを交換するくだりは、 ほんとにハラハラさせられた。 ベンジーには、彼が動けば爆発するように爆弾が仕掛けられている。 メモリーだけ奪われて、その後に、ベンジーはもとよりその場にいるハントもイルサも爆死させられる可能性もある。そうなれば万事休す・・・。 ところがその直前にハントがドリルでメモリーを破壊するシーンがあり、その意味の解明も含めて、事態は見事に逆転。うーん、さすが・・・! “シンジケート” のボス、レーン(ショーン・ハリス)をハントが地下の防弾ガラスの箱に誘い込むどんでん返しには驚いた。 思いがけない成りゆきだし、レーンの悪役ぶりが迫力があるだけに、痛快感も大きい。 息継ぐ暇のない派手なアクションの連続が楽しかった。 【◎○△×】6 |