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シャーロック・ホームズ


2009年  アメリカ  129分

監督
ガイ・リッチー

出演
ロバート・ダウニーJr.
ジュード・ロウ
レイチェル・マクアダムス
マーク・ストロング
ケリー・ライリー

   Story
 ガイ・リッチー監督が名探偵シャーロック・ホームズをワイルドな武闘派として描いたミステリー・アクション。 相棒ジョン・ワトソンとともに、謎の宿敵を相手に壮絶な闘いを繰り広げる。

 19世紀末のロンドン。若い女性が次々と不気味な手口で殺される連続殺人事件が発生する。

 相棒のジョン・ワトソン(ジュード・ロウ)とともに難事件解決に立ち上がったシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr.)は、 犯人が、黒魔術を操るブラックウッド卿(マーク・ストロング)であることを突き止める。

 卿はある秘密組織の頂点に立ち、世界を思うがままに支配しようという野望を抱いていた。 ホームズは彼の陰謀を食い止めるべく、ワトソンとともにブラックウッドを追跡するが・・・。


   Review
 一緒に見ていた夫は「面白かった」というけど、私はちょっと退屈して、途中で少し眠くなった。
 どういうところが面白かったかを夫が述べ、どういうところが退屈したかを私が述べ、討論の結果(笑)、これは男性向きの映画なのかもしれない、 ということで落ち着いた。

 夫が面白いと感じた部分は、まず、てんこ盛り一杯のアクションがある。

 たしかに途中トロッときた私でも、造船工場で大男が鉈や鎖を振り回し、最後は鎖が切れた船がレールを滑り出してホームズが轢かれそうになる場面、 ホームズのかつての敵で事件のカギを握るアイリーン(レイチェル・マクアダ ムス)が屠殺工場で円盤のこぎりで真っ二つにされそうになる場面、終盤ホームズとブラックウッドの対決場面、などはちゃんと覚えている。

 死んだはずのブラックウッドが甦る、という設定も、その荒唐無稽さが異次元的で面白い、というのが夫の弁。
 これは私も同感。どういうからくりが隠れてるのかな、とずっと興味を引っ張られた。

 だから、絞首刑されたのに彼はなぜ死ななかったのかを、ホームズが自分で実験しているところにワトソンが行き会う場面は可笑しかった。

 では、私が退屈した理由はなにかというと、ホームズというとどうしてもミステリーとか謎解きの面白みを期待してしまう。 じっくりと事件の痕跡を追い、ホームズらしいシャープな分析で犯人に迫っていく・・・。
 私は別にショーロキアンではないけれど、その点で本作は大きく物足りなさがあった。

 じつは夫ご推薦のアクションも、私にはちょっとしつこいというか、不必要に長いというか・・・。
 アクションがあると変化があっていいけれど、私にとってホームズものではやっぱり味つけとしての役割だ。

 一方で、フラッシュ・ショットのようにポンポンと切り替えが速くて、「?? 今の・・・何の話?」と思うヒマす らなく先にいってしまう場面が結構多い。
 後でさーっとカットバックでその謎解きが出てくるとはいえ・・・。これもじっくり推理派の私としては、ちょっと違和感。

 ホームズの変人ぶりはそれなり面白かったけど、やっぱりちょっとイメージが違うなぁ・・・。
 たしかに原作のホームズはコカイン中毒でボクシングも強かったけど、それでも肉体派でむさ苦しいホームズというのはどうもね・・・。

 それはワトソンにもいえる。頭脳明晰さではホームズをしのぎ、ホームズに手を焼きながらも神出鬼没で彼の危機を救うハンサムで素敵なワトソン、 というのはやっぱり私のイメージとはちょっと違うなぁ・・・。

 世紀末のロンドンの街並みや行き交う人々の雰囲気は、ぴったりそのままの感じで掛け値なしにすごい。
 ワトソンの婚約に焼きもちを焼いて、婚約者(ケリー・ライリー)に嫌がらせをしたりするホームズ、彼に腹を立てながらもやっぱり許してしまうワトソン、 そんな2人の交流も楽しかったりする。

 結局、本作の評価は新解釈のホームズに順応できるかどうかなのかな? というのが私たち夫婦の結論となった。


 *追記*
 久しぶりに2度めの鑑賞。前回はそれほどに感じなかったのが不思議に思うほど面白かった。

 私の中で従来の知的・論理的なホームズ像に対するこだわりが薄れたのかな。 気難しくて偏屈で、少々我がままなホームズさえユーモラスに (時に可愛くすら) 見えてくる。
 ワトソンの「ホームズはナルシスト」評にもクスリ&納得。新解釈のホームズを大いに楽しむことができた。

 そんな訳で、評価は7点に修正します。ホームズ、ゴメンね・・・。^^;
 【◎△×】7

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