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シャーロック・ホームズ
/シャドウ ゲーム


2011年  アメリカ  129分

監督
ガイ・リッチー

出演
ロバート・ダウニーJr.
ジュード・ロウ
ノオミ・ラパス
ジャレッド・ハリス
レイチェル・マクアダムス
スティーヴン・フライ

   Story
 ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウがシャーロック・ホームズ、ジョン・ワトソンに扮し大ヒットしたアクシ ョン・ミステリーの第2弾。ホームズ、ワトソンに謎の女占い師を加えた3人が、天才犯罪者モリアーティ教授と死闘を繰り広げるさまをアクション満載で描く。

 19世紀末、ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生する。さらに、オーストリア皇太子が自殺する事件が起きる。

 皇太子は暗殺されたと推測したシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr.)は、一見バラバラなそれぞれの事件の背後に、 天才的な犯罪者ジェームズ・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)の影を感じ取る。

 事件の捜査を進めるホームズは、ジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)と出会う。ホームズ、ワトソン(ジュード・ロウ)、シムの3人は、 イギリス、フランス、ドイツ、そしてスイスと大陸を横断してモリアーティ教授の陰謀に立ち向かうが・・・。


   Review
 前作の薫陶(笑)で武闘派ホームズに多少馴れたのや、宿敵モリアーティとの戦い、という大きな流れがとりあえずあることで、 前作よりはストーリーが追いやすかった。
 とはいえ、見終わってもう一度たどり直そうとしても細かい流れが思い起こせなかったりする。

 じつはこの映画、初めてのつもりで見ていたら、時々「あれ・・・?」と既視感に襲われる。

 ワトソンの結婚前夜のいわゆる “バチェラー・パーティ” の怪しげなクラブの様子や、ここでホームズがジプシーの女占い師と出会い、その後、クラブで繰り広げるアクション、 ホームズとワトソンがジプシーのキャンプにやって来 て、ワトソンがコートやマフラーを次々ジプシーたち取り上げられるシーン、などなど・・・。

 とくに、ホームズがワトソンの書斎の椅子からにょきにょきと現われるラストシーンははっきり覚えているから、やっぱり一度は見ているのだろうと思う。

 私は見た映画はメモしておく習慣があるのに、本作のことは何も記録してないのは、初見時の印象がよほど薄かったのだろうか。 それともエピソードの詰め込み過ぎで、印象がバラけてしまったのかな・・・。

 1つ1つはホームズやワトソンのおとぼけギャグ・アクションという感じでけっこう面白いのだけど、それがどこにつながり、その結果どうなったのか、 ストーリー上どういう意味を持つのか、などがよく分からないうちに、次に移ってしまう感じ。 キラキラピースを眺めているようににぎやかで楽しいけど、印象がもう1つまとまらない。

 モリアーティを陰の策士みたいにしないでもっとはっきり前面に出して、ホームズと頭脳と頭脳のガチンコ勝負にしたらどうだったろう、と思ったりするけど・・・。 何はともあれ、ホームズものは、ミステリーの王道をいく謎解きが私には性(しょう)が合うんだな、とあらためて再確認した次第。

 頭の中で闘いをシュミレーションして、 そのイメージが細かいカット割りで畳み込むように出てくる “ホームズ・ビジョン”(というらしい)は前作はちょっと戸惑ったけど、本作は楽しめた。

 とくに最後のモリアーティとの対決では、教授もそれをやるものだからイメージ同士の闘いになり、 ホームズが肩の傷のために自分の負けを予想するのが理屈先行の彼らしくて可笑しかったりする。

 上述の私の記憶に残っていたシーンの1つ、ワトソンの書斎に変装したホームズが椅子と一体化してひそんでいた例のラストシーンにも、あらためて笑ってしまった。

 ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウのコンビは呼吸がぴったり合ってけっこう好き。 変人でやんちゃなホームズと、あきれながらも付き合うワトソンは、まるで落語のようだ。

 *追記*
 前作『シャーロック・ホームズ』(09) に続いて再見。本作の印象もひょっとしたら変わるかな、と期待したけれど、 エピソードがとっ散らかって、作品の作りが浅くなった感じは変わらず。なので評価は6点のままです。う〜ん、残念。
 【◎△×】6

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