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新・荒野の七人/馬上の決闘


1969年  アメリカ  110分

監督
ポール・ウェンドコス

出演
ジョージ・ケネディ
モンテ・マーカム
ジェームズ・ホイットモア
レニ・サントーニ
マイケル・アンサラ
フランク・シルベラ
フェルナンド・レイ

   Story
 『荒野の七人』シリーズの3作目。7人のガンマンが圧政の苦しむ農民たちとともに、政府軍に囚われた革命派リーダーを救出するために闘う様子を描く。 クリス役はユル・ブリンナーから『ジョージ・ケネディにバトンタッチ。

 大統領による恐怖政治が行われている19世紀末のメキシコ。
 革命派のリーダー、キンテロ(フェルナンド・レイ)は教会で集会を開いている最中、ディエゴ大佐(マイケル・アンサラ)率いるメキシコ軍に捕まり、 刑務所に収監されてしまう。

 若い農夫マクシミリアーノ(レニ・サントーニ)はわずかな軍資金を手に町で「農民の友」と噂されるクリス(ジョージ・ケネディ)を探し出し、 キンテロの救出を依頼する。

 クリスは5人のガンマンを雇い入れ、マクシミリアーノも加えた7人でキンテロ救出作戦を開始する・・・。


   Review
 夫に付き合って『続・荒野の七人』(66) を見て、何となくの勢いで見てしまった本作だけど、2作目のがっかり感が大きかったせいか、思いのほか面白かった。 まず7人のキャラが (着ている衣装も含めて) 分かり易いのがいい。

 クリスをサポートするサブ・リーダー格のキーノ(モンテ・マーカム)は赤いシャツ。ハンサムでスラッと足が長く、それに加えて赤シャツだから、すごく目立つ。 ラストの銃撃戦は標的になりやすくてハラハラのし通し。
 最後はやっぱり命中して死んでしまうけど、それもまたかっこいい。

 恐らく結核を患っている P.J. は全身黒尽くめ。ほんわり村娘との恋がからむ辺りはオリジナルを思い出す。
 南軍生き残りのスレイターは片腕がなく、俯向き加減に斜に構えた姿に、彼の屈託の深さを感じさせる。

 初老のレヴィ(ジェームズ・ホイットモア)はナイフ使いの達人で、7人の中では唯一の所帯持ちだ。
 そのせいか村の男の子に妙になつかれちゃって、まるで親子か祖父と孫みたいなのが微笑ましい。

 爆破の名人キャシーは黒人、クリスをスカウトし自分もメンバーの一人になるマクシミリアーノはメキシコ人だから、見ただけで分かる。

 じつは一番個性というか、印象が薄いのがクリス役のジョージ・ケネディというのが意外だった。
 『暴力脱獄』(67) であんなに強烈だったのに・・・。彼はやっぱり脇役でこそ生きる人なのかな・・・。

 映画は政府の暴政に抗して農民たちが立ち上がるメキシコ革命が背景になっているけれど、話の核は、拘束された革命の指導者キンテロを救出する、という1点に絞っている。
 これは正解、7人のガンマンが立ち向かうのだから、話は大きくせず、これくらいが丁度いい。

 敵役はこの辺り一帯を支配する軍の大佐ディエゴ。この男、ほんとに冷酷で、残酷シーンは (4作目は未見だけど) シリーズの中で一番かもしれない。 とくにキンテロに自白を強いるために、彼の面前で、地面に首だけ出して埋めた農民たちの上を騎馬たちを走り回らせるシーンは、思わず目を背け てしまった。

 前作では敵と闘う際の戦術にヒネリがないのが物足りなかったけれど、本作はけっこういろんな工夫が盛り込まれている。
 まず刑務所へ護送される農民たちを救出して、戦力の補強を図る。(オリジナルのように彼らを訓練する様子があれば尚よかった。)

 さらに、駅舎で休憩中の兵士から軍服を奪ってメキシコ兵になりすますと、農園を襲撃して強制労働中の農民たちを解放し、彼らも加えていよいよ軍の砦への攻撃を開始する。

 砦突入の見どころは7人のガンマンが繰り出す得意技だ。さらにクリスはディエゴ大佐の居室に侵入して彼を倒す。成り行きは地味ながら、すっと溜飲が下がる。
 銃撃戦は次々と敵兵がいくらでも兵舎から現われるので少々ヤバい気分になるけれど、 頭領ロベロを倒した若手リーダー、ミゲルの率いる山賊が駆けつけて形勢逆転、ついに砦を陥落させる。

 7人のうち3人が生き残り、1人 (マクシミリアーノ) は残って (もともとこの土地の人間だから当然だけど)、2人 (クリスとレヴィ) が立ち去る、 というお約束通りの結末もよし。けっこう面白かった。
  【◎△×】6

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